プレイ動画投稿は控えて!恋愛ADVメーカーが諸兄に呼びかけ

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 KuroMikanのゲーム業界ニュースの時間です。ゲーム業界の方や、業界を目指す方向けのニュースをお届けしていますが、今回はむしろ「動画投稿者向け」です。

クラナドやグリザイアといった過去の名作エロゲーを全年齢向けに移植しているプロトタイプ社が、公式サイト上で「ゲームプレイ動画の投稿は控えてプリーズ!」ということを求めています。一体何があったのでしょうか。


プレイ動画投稿・配信につきまして


弊社が制作・販売しております作品は「恋愛アドベンチャー」、「ビジュアルノベル」と呼ばれるジャンルに属します。
娯楽性としましては、アクションやシューティングゲームのように「プレイヤーのテクニックでクリアすることを楽しむ」ものではなく、「ボタンを押すだけで読み進めることができ、物語の展開を楽しむ」という、映画やアニメ、コミック等と同じ楽しみかたをするジャンルであるため、その内容を公開されてしまうことは営業上の大きな損失となります。

また、弊社の作品はPC用ゲームソフトを原作とし、その権利元様との契約により「特定の家庭用ゲーム機」上で原作が動作するように改変した「移植版」の制作権利と、その移植版を販売する権利を許諾いただいております。

同時に移植版の拡販を目的として「弊社自身」がオープニングムービーや静止画を用いて宣伝や広報活動(専門誌、ニュースサイトへの掲載依頼、動画共有サイトへの投稿など)を行う権利も許諾いただいておりますが、これらの権利を第三者に再許諾する事は許されておりません。

そのため、動画共有サイト上に投稿されている弊社作品のプレイ動画に対し、これまでも弊社または権利元様から削除をお願いしてまいりましたが、昨今、投稿される件数が急増しており、あらためまして弊社作品のプレイ動画の投稿・配信をご遠慮いただきたく、お願い申し上げます。

株式会社プロトタイプ

公式サイトより引用

 対戦格闘ゲームやシューティングゲーム等には「自分で操作する体験」があります。それに比べ「恋愛ADV」ではプレイ動画を視聴するだけでほぼ全ての体験が得られてしまうため、恋愛ADVのプレイ動画投稿は営業損失につながるのである、ということです。

 至極その通りな話なのですが、じゃあそれでプレイ動画投稿が減るとは思えないんですよね。需要があるから動画を撮っているのです。しかもこれはあくまでお願いであって、規制ではない。昨今のコロナブームでも見た光景ですが、お願いに従わない人も出てくるわけです。

 そもそも何でこんなことになっているのかというと、プレイ動画を取締る仕組みがないのもありますが、なにより時代に合っていないことが原因だと思います。音楽もかつてはCDで買うのが当たり前でした。今では聴き放題の時代になっています。映画も同様です。こういった「見るだけ」のゲームにも同じことが起きているのだと思っていて、これからの時代にあった「恋愛ADV」の形が求められていくのだと考えます。
…とはいえゲームのサブスクっていまいち盛り上がっていないんですよね。別の形で幸せになる方法はないものか。